歴史の授業中、フと入学当初の事を思い出した。シリアはまだその頃ソロンとも何の関係もなくて、寧ろ俺とばっかり話してた気がする。そんな中、テスト前にシリアが勉強教えて欲しいとか言ってきて。俺の意識はどんどん記憶を辿る作業に没頭してしまって、授業なんて受ける気分じゃなかった。



『う〜…ここ、なんだっけ』
『そこはさっきも教えただろーが。シリアちゃんって馬鹿?オバカなんですかあ〜?』
『ムッ!なんだと!』

 俺の挑発に、シリアは簡単に乗ってきて、からかいがいあるなあなんて思いながらシャープペンのタッチ部分でシリアの額を小突いた。

『シリア、お前歴史で70点取らなかったら処女喪失なの忘れたのかよ』
『や、やだ!』
『何お前、俺に処女奪われんのそんなに嫌なの』
『初めては好きな人とだって決めてるんだよ!』

 俺がくつくつと笑えば、シリアは顔を真っ青にして教科書と睨めっこを始める。こんな事になったのも、今日の放課後…

『スペル!歴史教えて!今度のテストで赤点だと流石にヤバイしさあ…!』
『ラフィに聞けばいーじゃん。なーエナ』
『わ、私に言わないでくださいです!』
『チッ、おもしろくねーの。じゃあさ』
『ちゃんとお礼はするから!何か奢ってほしいなら奢るし!』
『処女』
『は?』
『教えてやってもいいけど70点以下だったら処女喪失』
『〜〜〜!!い、いいよ!絶対阻止してやるんだから!!』

 俺がその様子を伊達眼鏡越しに見てれば、シリアは必死に教科書とノートを見比べてシャーペンを走らせる。年号をどうやって覚えたらいいかわからないとか、シリアの呟きに耳を傾けながら数日が過ぎて、とうとうテストが返ってくる日にまでなっていた。

『スペル!歴史83点!これで処女は守ったぞー!』
『はいはい、シリアちゃんはよくがんばりましたねー』

 シリアのふんぞり帰った様子に、俺が頭をわしわしと撫でてやると、髪が乱れるだのがなった後とても挑戦的な笑みを浮かべたのが今でも記憶に残ってる。(と言っても、そのすぐ後のテストでは赤点に逆戻りだったのが滑稽だった)


あげないよ、


絶対に。



(入学してまもない設定(ノД`;) 色々ひどい)