|
ある日突然、何を思ったのかリンがピアス穴を開けた。手に持っているのは四角く針のついた、ピアス穴用の道具。病院に行かなくとも自分で穴が空けられる。俺にとっては自分の体に穴を開ける行為が珍しかった。俺がリンの耳たぶを触れば、少し痛むらしく、触るなと目で訴えた後、そそくさとスピカの元へと行ってしまった。金色の髪の間から見えた耳には、まだピアスはついていない。穴だけのそれ。 「なあワルター。なんで痛いって解っててピアスなんて開けるんだ?」 「あの女にも色々あるんだろう」 ふぅん、と俺が軽く聞き流すような態度にワルターはかぶりを振ってどこか行ってしまった。授業も終わった放課後の帰り道。隣で歩くリンに声を掛けてみる。 「リン、まだピアス、買ってないんだろ?」 「う、うん…」 「せっかく開けたんだし、俺が買ってやるよ」 「え」 いいの?と言ったリンの頭に、俺ははにかんでその頭に手を置いて撫でてやった。 熱の行き場は ダストボックス (俺もピアス、開けようかな…)(…?どうか…したの?)(な、なんでもない!) |