俺とリンは二卵性双生児の双子。
 二卵性双生児だから性格や趣味もまるで違うけれど、(そっくりとまではいかないが)一卵性双生児のように顔が似ている。
 顔が似ているせいか、小学校の頃は俺がリンになりすましてリンの事を好きだった男子をすっぱりとふってやった事とかもあった。
 今は身体の成長の関係であまりそういう事はできないけれど、完璧にそれをやめたと言う訳ではない。今はそうでもないけれど、当時はリンの周りに集まる人間全てが妬ましかった。
 けれど、その感情が幸か不幸か、小学校の高学年に上がった時にリンに言われた言葉が、俺には絶望的に突き刺さったのをよく覚えている。


『スペルって……喋り方、じじくさい…』


 小さい頃から俺は何故か自分の事を「我」といったり、対象の事を「汝」と言っていたりもした。
 口調も歳相応の口調とも言えなくて、それ以降俺は同じ歳の男子ともよく喋るようになって(主に聞く側だったが)ようやく一人称が「俺」と言い慣れた頃にリンにこう言われた時は物凄い嬉しさを感じた。


『…最近、スペルの喋り方…普通になったよね』


 けれど、やはり癖というものは出てきてしまうものだった。興奮したりすると、一人称が「我」に戻ったりするし、両親やリンと話している時も時々うっかりと言ってしまう時もある。
 そのたびにリンが嫌そうな顔をするのが嫌だった。
(ああリン、じじくさいお兄ちゃんは嫌いか!?)

 最近ではスピカの前で地を出してしまって死にたくなった。
(案の定おじいちゃんみたいな話し方だねと笑われた)