いつものようにとことこと歩くイヴお姉ちゃんを見て、ある事に気付く。
黒い髪に、葉っぱが絡まっていた。
「あ…イヴお姉ちゃん、頭に葉っぱが、ついてる、よ」
「え?本当ですか?どこだろう」
サッサッと髪をはらう仕草を何度かしたけれど、葉っぱの所には届いていなくて、一向に取れていない。
私が、ちょっと待ってね、といって近づくと、はい、と笑顔を作って直立不動になる。
葉っぱを軽くつまんで取ると、風を含んだそれはさらりと舞って、とてもキレイだった。
「有難うございます。レスティちゃん」
「あ、うん…」
イヴお姉ちゃんの髪に触れた指を見る。
さらさらとしていて、とても気持ちいい。
うっとりと自分の指とイヴの髪を交互に眺めていると、お姉ちゃんが首を傾げた。
「レスティちゃん、どうしました?」
「ええっと、イヴお姉ちゃんの髪、さらさらで羨ましいなあって、思ったの」
するとイヴは一瞬驚いたような顔を作った後、またスピカママとそっくりにへらりと笑った。
「私もです」
「?」
「私も、レスティちゃんやレンくんみたいなふわふわな髪が羨ましいと思ってました」
両手を合わせてにこにこと笑う。
そんな仕草にも、黒い髪はさらりと揺れて。
今度は、お互いで笑い合う。
無いものねだり