レスティルと一緒の買出しの帰り、小さな雑貨屋の前でレスティルが足を止めた。何を見ているんだ。そんな事を考えながら、レスティルの視線の向きと同じほうを見ると、色とりどりの傘が並んでいた。僕はそれを見た後、空へと視線を投げかければ、雨はおろか空は曇ってすらいない。


「何、欲しいの」
「あ、ううん。違うの。ちょっと、 ううん、なんでもない」
「ふぅん」


 レスティルはへへ、と笑うと買い物袋を抱えなおし、歩き出そうとした。僕は欲しいなら欲しいって言えばいいだろバッカじゃないのなんて毒を吐きながら、愛想笑いを振りまいていた店員へと声を掛ける。なるだけレスティルに合いそうな色の傘を一本掴みとって。するとレスティルは慌てて駆け戻って何やってるのと叫ぶ。


「アヤ、私、別にそこまで欲しくないよ」
「そう」


 僕はレスティルの声を無視して会計を済まし、それをレスティルに差し出した。レスティルはうっ、と唸った後、素直に受け取りその傘の模様を見て歓声を上げていた。バカじゃん、そう思いながらもレスティルを眺めていれば、彼女は雨も降っていないのに傘を差してるんるんと踊り始めた。(そう言えば小さいころリエ姉も傘と長靴を買ってもらった日に喜んで、雨も降ってないのに傘差してたっけ)


「アヤ」
「なに」
「ありがとう!大事にするね、これ!」
「…旅してるのには邪魔でしょ」
「でもいいの!綺麗だから!大事にする」


 レスティルは傘のはじきを肩に掛けてくるくると回して、あ、と声を上げた。今度は何、と僕が聞き返せば、地面を指差して笑っていた。傘の模様が太陽のせいで地面に写ってすごく綺麗だよ、といい年して子供みたいにはしゃぐんだ。もっと、色々なものを見たいなあ、と呟いて。






利己的な






ロマンス♪